拝島駅前 伊藤書店(東京) |
私のおすすめは「ガラスの仮面」
劇中劇の連続で、上演作品ごとに、その前後も含めて、ストーリーがバラエティに富んでいて飽きさせません。エピソード満載なので、読み返すとああこんなシーンもあったのかという発見があります。 |
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木村書店(大阪) |
昔の作品については、それこそきりがありませんので、現在連載中の漫画に限定しておきます。
私の今一番のお薦めは、岩明均の『ヒストリエ』とよしながふみの『大奥』です。
岩明均といえば『寄生獣』で一世を風靡し、それもすばらしい名作だと思いますが、この『ヒストリエ』はそれ以上のものがあると思います。歴史上の人物があまりにも現代的な価値観をもって描かれると真実味を欠くものですが、この物語の主人公エウメネスの場合は彼の生い立ち――裕福で教養ある家の息子として育てられながら奴隷の身分に突き落とされ、放浪の末様々な異文化に触れる――によって、虐げられた人の立場を重んじ多様性を尊重するという観点を自然に持つようになったところが面白いと思いました。
よしながふみといえば、特にBLの分野ですばらしい作品を生み出していますが、この『大奥』はBL的要素がないにもかかわらず、これまでの読者をも引きつけてやみません。
男女逆転の物語はSFでよく見られますが、この漫画は、歴史漫画としてのしっかりした時代考証の下に、三代目家光の時代から、実は女性が将軍となっていたという設定で描かれています。男女が逆に描かれることによって、封建社会の理不尽さや現代でも克服されていない性差別がより見事にあぶり出されています。また、単に美しい男性が描かれているというだけでなく、ひとつひとつの表情が実に丁寧に描かれている点も彼女の作品の大いなる魅力であることが実感させられます。 |
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リブロ福生店(東京) |
ベストセラーのシリーズ、お奨めの本はたくさんありますが
あえてマイナーな、これから注目、と思う作品を挙げさせていただきました。
・『夢見る古都』1(太田出版FXコミックス 星野リリィ著)
大人の女性向けファンタジー作品です。 BL作品で人気の作者さんですが、やっと本来の持ち味で 作品を描いてくれた!という印象。
主人公の女の子が見た目も台詞も大変可愛くて、 彼女の微妙な気持ちの動きと、 謎だらけの不思議な世界観が非常に面白いです。
・『姫武将政宗伝ぼんたん!!』1-2(幻冬舎バーズコミックス 阿部川キネコ著)
伊達政宗が女の子、という設定で誤解されがちですが、非常に時代考証がしっかりしているので女の子であるという部分以外は驚くほど、現在残されている史料から推測される史実の伊達政宗に合致したキャラクターとストーリーになっていて歴史漫画としても面白い作品です。女の子であることにきちんと意味があるのが素晴らしい。ギャグのバランスもよく、男性にも女性にもお奨めできる漫画です。
・『将国のアルタイル』1-2(講談社シリウスKC カトウコトノ著)
中東風の世界を部隊にした、戦記モノ風ファンタジー。戦で一族を無くした少年将軍が、様々な困難や挫折にあいながら国家間の争いに立ち向かおうとするお話です。綺麗な絵柄と魅力的なキャラクター、壮大な世界観。若い子に読んで欲しい漫画です。
その他
「群青学舎」(エンターブレイン)
「ちはやふる」(講談社)
「天顕祭」(サンクチュアリ出版
「よつばと」(角川書店)
「ラッキー」(小学館)
「架カル空の音(1〜3)」(エンターブレイン)
「チェーザレ」(講談社)
などがお奨めです。
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オークスブックセンター柏明原店(千葉) |
いくつもあるお薦めマンガランキングでは、偏った意見が寄せられるので万人受けするような タイトルがなかなか出てこないような気がします。例えば、宝島の「このコミックがすごい」
で取り上げられた「聖★おにいさん」などは、宗教的な知識も多少は必要とする、というか 知らなければ面白さ半減、という点では小中学生や若年層ではウケが悪いかと思われます。
その点で言えば、このマンガは万人にお薦めできる面白さです。 ご自分に子供がいれば、なお一層楽しめるかと。
(アンケートとは関係ありませんが、自分の中のコミックランキングでは エリア88 ガラスの仮面 ブラックジャック
の3点が永遠のベスト3です)
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本のがんこ堂
守山駅前
(滋賀)
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「猫神やおよろず」 FLIPFLOPs 秋田書店
(ISBN 9784253233613)
期待の新人です。とにかくセンスがいい。まったり笑いたい方にオススメです。
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ブック ボックス
(福岡県行橋市) |
●「XENON〜199X-R〜」著:神崎将臣 徳間書店刊(現在既刊〜4巻)
20数年前、少年ビッグコミック誌上で連載されたサイボーグアクションコミックの続編。
著者の他作品の名キャラクターが一堂に会して悪と闘うさまはさしずめ神崎版「大甲子園」といった趣も。
長年のファンにはたまらないし新しいファンにもまた魅力的。
再販された「重機甲兵編(全2巻)」「ブルーバッグ(全2巻)」「HUNTER」と併せて読むと完璧です(^^)
●「並木橋通りアオバ自転車店(全20巻)」「アオバ自転車店(既刊6巻)」著:宮尾岳 少年画報社刊
ヤングキング誌の良心とも言える佳作。主人公小学4年生の峠アオバと並木橋の住人の織り成す自転車を中心にした人間模様。
他の自転車マンガと一線を画するのはどんな自転車も「主役」なこと。ロードに折りたたみ、MTBにお買い物車までドラマにしてます。
「自分だけの一品」も見つかるかも(^^)
●「シグルイ(既刊11巻)」著:山口貴由 秋田書店刊
南條範夫の残酷時代劇「駿河城御前試合」をこれでもかとアレンジしたのは「覚悟のススメ」「悟空道」の山口貴由。
血と内臓と筋肉、そして耽美で艶やかな男たちの生き様、そして死に様。目をそむけながら、しかし引き込まれることは請け合いでですよ。
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岡山県倉敷市マイブックシェルフヤマナ(岡山) |
オススメたくさんありますんで、映像化しにくいもの、オトナでマンガ好き向けで、
バラバラに選んでみました。
キャノン先生トバしすぎ
バカとエロと情熱と勢いが奇跡的に融合した傑作。毎回、絶対的な濡れ場という足かせがありながら、ここまでマンガに対する情熱を描ききったのは凄いこと。
深夜食堂
小さな幸せや不幸を、食べ物という身近な存在を使用して、描いた連作。確信犯的な破綻一歩手前の軽さがほっこりできるドラマはなかなか無い。(あとは西村しのぶの
一緒に遭難したい人くらいか?)全体的な完成度は高く、夜中に読むとおなかが減る一本。
ダンスインザバンパイアバンド
エンタテイメントとしての、暴力・性愛・萌え・伝奇等、盛りだくさんの内容をずれることなく描いたバトルマンガ。やや展開にだれる部分もあるものの、かなりのウェルメイド。
うさぎドロップス
突然、父親になった若者と子供のお話。マンガとしての技術がとにかく上手い。映像化されたら陳腐化するだろう、ドライな空気とウェットな物語のバランス感覚が秀逸。女性心理と男性心理が上手くミックスされた良作でもある。
少女生理学
古めのところで一つ。男のための乙女マンガの傑作。古典的なコマという概念の薄い少女漫画技法で、ひたすら少女をクローズアップした恋愛物語。無駄にパンツや裸体が乱舞するだけの萌えマンガはこれ読んで襟を正せといわんばかりの純粋萌えマンガ。
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鎌倉文庫 尾張旭店(愛知) |
講談社の 聖☆お兄さんもおもしろいですが、こちらはすでに新聞などでメジャーなので、今一押しならおなじ講談社の「よんでますよアザゼルさん」
です。ちょっとシュールですが… |
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明屋書店
新田原店(福岡) |
1、「この世界の片隅に」こうの史代 双葉社
まだ完結していない物語。大変そうでも、のどかなように見えてしまうのは登場人物たち、特に主人公の性格のせいだと思われます。舞台は広島なのでのどかなまま終わることはまずない…ので下巻の発売が待ち遠しくもあり、怖くもあります。
2、「この度は御愁傷様です」宮本福助 講談社
ドタバタ、老人が元気な一冊。こんな父親がいたら絶対嫌だけれど、端で見てる分にはものすごく面白いです。登場人物に若者は一人しかいない、というのも素晴らしいです(笑)。
その他、今年読んで面白かったり印象に残ったりした漫画
「聖おにいさん」中村光 講談社
「女王の花」和泉かねよし 小学館
「天顕祭」白井弓子 サンクチュアリ
「鬼にもらった女」近藤ようこ 青林工藝社
「未来歳時記バイオの黙示録」諸星大二郎 集英社
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複数可とありますが、好きな作品がたくさんありすぎて困ってしまいます。
そこで、新刊が出たら購入しているものと、毎号欠かさず読んでいるマンガ作品を書きます。
購入:講談社「ひまわりっ 健一レジェンド」 東村アキコ著
地元(宮崎)が舞台のマンガだからという贔屓目じゃなくて、面白さは間違いなく全国区です。主人公のアキコは、マンガ家を目指す割りには、いたってマトモな常識人。それが却って周りの強烈キャラを際立たせる結果となっています。
ちなみに、自分のお気に入りキャラは マン研・副部長、アキコの上司の副主任、健一2号 です。
毎号読む作品:メディアファクトリー「テレプシコーラ」
山岸凉子 著 、集英社「ピューと吹く!ジャガー」
うすた京介著 、講談社「さよなら絶望先生」 久米田康治著
、小学館「お茶にごす。」 西森博之著
、講談社「くるみ」 深見じゅん |
有限会社 津江書店
(宮崎) |
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海文堂書店(兵庫県神戸市) |
『駅から5分』1-2
くらもちふさこ著 集英社クイーンズコミックス
登場人物の描写やストーリーの展開に「さすが、くらもち!」と唸ってしまいました。 |
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さのや石井書店
(三重) |
☆「ぼくんち」西原理恵子
何を今さら・・・ですが、これはほんとに素晴らしい! 廉価版ではなく、カラー版のほうを読んで頂きたいですね。感動が違います。そのほか「ちくろ幼稚園」「ゆんぼくん」等、この頃のサイバラはすごかった!
☆「アフター0」岡崎二郎
表題作を始めとした一連のSF作品群、良いですね〜。 手塚治虫・藤子F不二雄亡き後、こういう才能は貴重です。もっと評価されても良い人だと思うのですが。
☆「ハチミツとクローバー」羽海野チカ
「何を今さら」の代表かな?(笑) アニメ化が決まった頃に何気なく読んでみたら、夫婦揃ってはまった。(笑) あのラストは泣けますね〜。
☆「海街diary」吉田秋生
こういうのを書かせるとホントに上手いんですよね、この人は。初期の短編群と併せておすすめです。
-------------------以下、古典---------------------
☆「軽井沢シンドローム」たがみよしひさ
あのセリフまわしには参りました。絵も垢抜けててかっこよかった。正直後半は少々・・・ですが(笑)。
☆「空の食欲魔神」「甲子園の空に笑え!」etc.川原泉
トホホな絵とナハハなストーリー、アニメ絵になる前の川原泉が大好きでした。
☆「ポーの一族」「11人いる!」etc.萩尾望都
☆「夏からの手紙」「フランス窓便り」etc.田渕由美子
☆「花岡ちゃんの夏休み」「真珠とり」etc.清原なつの
皆様ご承知の古典的名作。やっぱり良いものは良い!
・・・思いつくままに挙げてみました。
もちろんまだまだおすすめはあるのですが、きりがないのでこのあたりで失礼します。
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ブックスオオトリ西荻窪店(東京) |
秋田書店 ざんねんなこ、のんちゃん 吉沢緑時
タピオカ、ハト、ささくれなど、小さなことが大きくなりトラウマとなります。人間は些細なことで傷つく・・・残念でなりません。キュートなピンクの表紙が目印です。
太田出版 国民クイズ 杉本伶一 加藤伸吉
15年ほど昔のものです。が、話がぜんぜん古臭くない。今の世相にあっていて、小説を読んだような充実感。
講談社 ルノアール兄弟の愛した大童貞
臭いそうな感じです。一週間ぐらいはいたパンツを押入れで500年寝かしたような醗酵した香り・・・
小学館 坂道のアポロン 小玉ユキ
こうゆうの、とってもいいです・・・小玉ユキさんの作品は、全部とってもいいです・・・
エンターブレイン SOIL カネコアツシ
謎・謎・謎 謎しかありません。
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柏市内の書店 H.Nよしはる (千葉) |
おすすめの漫画ということですが、ありすぎて何をあげればいいか悩みますが、以下の作品で。
最近完結した作品
『ARIA』 天野こずえ先生 マッグガーデン 今世紀最大の最高傑作。ほんわかしたやさしい世界に心が和みます。
最近の作品
『吉田家のちすじ』 中島守男先生 講談社 スケベな男たち(家族)を描いているのに、いやらしいというより、むしろばかばかしさに清潔感さえ持てる。一言で言うなら大人版サザエさん
ブレイク間近作品
『それでも町は廻ってる』 石黒正数先生 少年画報社 質の高いアワーズ誌の中でも飛びぬけている作品。メイド喫茶で働くことになった女子高生の話。と書いたら「萌え漫画?」と、思わせるが、商店街のばあちゃんの経営するメイド喫茶、のところで話が違ってくる。メイドを理解していない(萌えない)主人公が、商店街を暴れまわる、ドタバタコメディー。
バイブル
『めぞん一刻』 高橋留美子先生 小学館 響子さーん好きじゃあああ
『火の鳥』 手塚治虫先生 ストーリー漫画の表現力は『火の鳥』で完成しているのではないだろうか? |
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いまじん碧南店
(愛知) |
私のお薦めコミックは、
サラリーマン金太郎
課長島耕作 です。
どちらも、何回読んでも続きが気になるすばらしい作品です。世代がかぶるところも、共感でき、憧れの主人公で、ヒーローであります。あまりにありきたり過ぎてコメントの必要はありません。
MAJOR
これは、お客様に最初の5巻で面白くなかったら、返品してもらって結構ですよ!! の一言で気心知れた数人ですが、案内したところ全巻購入につながっています。
これも、名作として後世に残る作品であると自負しております。
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あゆみBooks平和台店(東京) |
幻冬舎バーズコミックス「大東京トイボックス」うめ(著)
以前アフタヌーンで連載され打ち切りになってしまった幻の名作がパワーアップして帰ってきました!オススメポイントは、みんなが自分の夢にがむしゃらで独善的で、輝いています。セリフの熱さにも注目です。 |
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ユートピア中筋店(兵庫) |
「GIANT KILLING」(講談社) ツジトモ 綱本将也(著)
サッカー漫画なのですが、監督が主人公。やる気なさげな見た目と、何考えてるのかわからない行動に振り回されっぱなしの周囲や、見た目に反して実は結構熱いタツミ(監督)がいい味出してて面白いです。最近、スポーツマンガも「主人公が監督」というのが増えてきましたね。
「ディープグリーン〜ダークグリーン2」(講談社) 佐々木淳子(著)
こちらはちょっとマイナーかもしれません。WEBでの連載なので知らない人も多いかも・・・。ただ「ダークグリーン」は一時代を代表する名作でしたので知ってる方も多いはず。大好きだった作品なので復活してくれてうれしいです。まだまだ謎だらけで、続きが楽しみな作品でもあります。前作を知らなくても充分読めますが、復刻版か何か出てくれるとうれしいな・・・と思っています。
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あゆみBOOKS五反田店
(東京) |
『とろける鉄工所』(野村宗弘、講談社)
『よんでますよ、アザゼルさん』の久保保久さんや『サンスパ』の竹本真さんなど、最近新人の登用に積極的な『イブニング』誌(講談社)
から生まれた本書。連載開始当初は、巻末の穴を埋めるかのようにひっそりと掲載されていたのですが、読者からの反響が大きかったせいか、
じわじわ前へと歩を進め、いまでは表紙を飾るまでになりました。作者自身の経験談なのか、一般にはあまり知られることのない鉄工所(町工場)の仕事風景が、ユーモアを交えながらリアルに描かれています。上手いとは言えないながらも、丁寧に描かれた愛嬌のある絵柄も本
書の魅力の一つ。個人的には、女性がとてもかわいらしく感じられて・・・何と言うか、微笑ましいのです。
蛇足ですが、『イブニング』連載の欄外に「おまけ」のように付いてくる、「お嬢様編集担当」のコメントも要チェックですね。お嬢様と町工場という組み合わせのギャップが面白いし、コメントそのものもいち
いち的外れなのがいいのです。 |
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あゆみBOOKS田町店(東京)
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『Doubt』(外海良基、スクウェアエニックス)
数ある密室ホラーサスペンスとはひと味違う仕掛けを用意しつつ、人 物ドラマとしての盛り上げ方も非常に上手く、「一粒で二度おいしい」
作品。プレイヤー(=兎)たちのなかにまぎれ込んだ嘘つき(=狼)を探し出すテーブルゲーム「ラビット・ダウト」の世界が現実となり、少年少女たちが一人、また一人と容赦なく殺されていく。ひとくせもふた
くせもある登場人物たち、死と隣り合わせの謎と罠、そして殺人鬼=狼の正体は・・・気になることが盛りだくさん。少年少女たちが精神的にギリギリのところまで追い詰められていく狂気の描写に目を背けたくなるものの、極度に突き抜けた残酷な作品世界に有無を言わさず引き込まれてしまいます。最近流行のサイコホラーではありますが、この作品はそのなかでもまれに見る傑作の一つと言えるのではないでしょうか。 |
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あゆみBOOKS小石川店(東京) |
『ファンタジウム』(杉本亜未、講談社)
正直なところ、なんとなく購入してしばらく本棚に眠らせておいた本でしたが、何かのきっかけで読んでみて、この素晴らしい物語を買ってすぐに読まなかったことを後悔するほど、素晴らしい作品でした。
書かれた文字を読むことができない、あるいはその意味がわからない 「難読症」という障害を負った少年・長見良。彼が秘めるマジックの才能を見抜いたサラリーマン・北條英明との出会いが、少年の人生を変えていきます。北條は自らが幼いころ夢見ていたマジック・エンターテイメントの世界に少年を引き込み、二人三脚で厳しい世界を渡り歩いていこうとします。もちろん、それは平坦な道ではありません。ショービジネスに対する考え方の違いから生まれる心の葛藤、厳然と立ちはだかる難読症という現実・・・そんな困難を乗り越えるたびに深まっていく二人の絆。年齢や置かれた環境がまったく異なる二人の人間が邂逅していく姿に、心を打たれます。
とりわけ、良が「こんなひどい状況のなかで正気でいられたら、俺はものすごく強くなれる」と自らに言い聞かせるシーンには、素直に納得させられました。私自身が逆境に立たされたとき、良のように思えたならどんなに素晴らしいことか。忘れられない強烈な台詞です。このシーンに限らず、『ファンタジウム』に出てくる台詞は心に残るものが多く、また、それぞれの心理状態を物語る表情の描き分けも本当に細やか。
良がマジックを披露するシーンでは、小説とも映画とも違う、漫画ならではの幻想的な空間が描き出されていて、マジックへの興味のあるなしにかかわらず、物語の世界に入っていけること請け合いです。私自身、第二巻のラストシーンを読み終えた後は余韻に浸ってしまって、しばらくのあいだ放心状態でした。大袈裟なようですが。ここまで手放しで絶賛できる漫画作品に出会えたのは、本当に久しぶりです。ぜひたくさんの人に読んでほしいと思いますね。 |
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