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No.163
川原由美子 かわはらゆみこ
*川原由美子さんのはなし<未収録作品リストあり!> (リンク切れ)
欲しくなったので買いに行く ・・・>Amazon.co.jpアソシエイト
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午前3時のティータイム 情報・感想お寄せください
【出版社】 【発表年】1980年 【サイズ】【その他】【感想】【出版社】 【発表年】 【サイズ】【その他】
【感想】パパ!なんで私が、亡くなったパパの親友の子供たちの世話をしに行かなきゃなんないのよ。でも、結局言いくるめられて、ハミルトン家へと来ちゃった。ま、メアリーポピンズになるのもいいかなぁなんてね。でも、着いてびっくり。小さな子供たちだと思っていたのに、待っていたのは長男23才をはじめとする4人の男の子たちじゃない。それでもそのままみんなのめんどうを見てしまう私。でも、三男ジョディは夜遊び好きの不良で、会うとケンカばっかり。でも、ジョディもお母さんのことで悩んでいたりして、まんざら悪いヤツでもないの。パパッ、私と男の子たちのだれかを結婚させるつもりだったって!もう出ていくから!
「春・まんなか」:いつもサングラスをかけている隣のアイツ。今朝、あいつと出会ったせいで、今日一日ロクな目に合わなかった。それを酔っぱらってて覚えていないだとぉ。しかも、私のことを男か女かなぁって、見りゃあわかるじゃないか、美涼っていう立派な乙女だよ。腹が立ったからコーヒーぶっかけて帰ってきちゃった。それ以来、なんだかんだとちょっかいを出してくるアイツ。でも、なんでアイツいつもサングラスかけてるんだろ。
「こっちむいてマリー!!」:ある日ぼくは写真のモデルを探して街を歩いていた。そんな時、マリーと出会ったんだ。一目で、この娘しかいないってひらめいた。夢中で彼女の写真を撮った。彼女を撮った写真は、高校生写真コンクールで佳作に選ばれたけど、そのせいで、彼女に迷惑をかけてしまった。そして、マリーの笑顔がどんどん好きになっていく。今度は佳作じゃなくって、特選を狙うぞ。こっちむいてマリー!!
「本日快晴!」:広告で見つけた住み込み三食つきの家庭教師。これで食いっぱぐれることはないと安心したのも束の間、教え子はいたずらざかりの十歳の双子。お勉強させるのはたいへんだけど、お兄ちゃんがひとりいるだけで、忙しい両親にかまってもらっていないってとこにきゅんときちゃったし、今ではすっかりなかよくなっちゃった。だから、母さん、私、見合いなんてしないってば...どうしたの、ふたりとも。え、おにいちゃんが死んじゃうって?!だからお兄ちゃんと結婚してくれって?!え〜どうしよう。 (TC99/7/11)
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25時のシンデレラ 情報・感想お寄せください
【出版社】小学館 【発表年】1983年発行 【サイズ】新書判【その他】フラワーコミックス
【感想】普通の高校生だった片岡真純は、突然、芸能界のシンデレラになってしまった。かわいいだけがとりえで、歌は下手だし、本人にもプロとしての自覚もない。そんな真純が、芸能界の荒波に揉まれながら、周りの人に踊らされるだけの人形ではなく、自分の意志で歌いはじめるようと小さな決意をするまでの物語。(TC99/5/5)
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KNOCK!全4巻 情報・感想お寄せください
【出版社】小学館 【発表年】1981年発行 【サイズ】新書判/同時収録 第1巻:「雨色の宇宙船」 第2巻:「やねうら部屋通信」「万華鏡」第3巻:「冬の海鳥」 第4巻:「まじかる★ぼっくす」【その他】フラワーコミックス
【感想】
(2004/8up)
*「KNOCK!」…。川原由美子というと、ソルジャーボーイとか「観葉少女」とかの方が一般的に知られていますが、やはり、原点はこれかな。特に最終回に舞が電話で努にいう「私の心をKNOCKして。」という言葉は当時まだ、中学生だった私には、もう、涙涙のセリフでした。ちなみにわが息子は川原さんの「ソルジャー…。」&高橋千鶴さんの「ピンクのイレブン」より「よしたか」君です。(ゆな)
*学校では優等生、放課後はライブハウスでバイトと二つの顔を使い分けている島岡努の前に、不思議な美少女・十南舞が現れた。翌日、彼女は努と同じ学校の生徒で、おまけに、ひとり暮らしをしている努の部屋に押しかけて一緒に暮らすようになる。舞と出会ってから、ペースを乱されてばかりの努だが、忘れようとしていた夢がよみがえってくるのだった。努の夢は、死んでしまった父親と同じようにすばらしい映画を撮ること。努は優等生の仮面を脱ぎ捨てて、映画同好会を作り、病弱で療養中の妹のために映画を撮ろうとする。(TC99/7/25)
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前略ミルクハウス全10巻 情報・感想お寄せください
【出版社】小学館 【発表年】第1巻:1983年初版発行(1983年3月より連載開始) 【サイズ】新書判【その他】フラワーコミックス/第10巻:「夏だったね」(1986年)を同時収録
【感想】
(2004/8up)
*リアルタイムに読んでいた頃は、ただもうひたすらギャグが笑えて仕方なかった。二日酔いの藤くんの視界というのがもうおかしくてたまらない! 物語としては短編オムニバス形式が利いている。教授と別れた奥さんの話、不良少女結衣ちゃんの話などが良かった(結衣ちゃんて本当に良い子だ)。藤くんの最初の押し掛け彼女・弥生ちゃんのけなげさもアピール過多ではあるが分かる気がした。また、涼音のことを好きだったスナック働きの女の子も切なくて泣けた。
受け入れられないのが主人公の芹香ちゃん・・・・可愛いけどわりとワガママだし、何より片想いしている人の気持ちがまったく分かっていない犯罪的鈍感さはどうかと。藤くんも涼音も田代さんも彼女に岡ボレするのだが、同性から見て芹香ちゃんはあまりにもイヤな女だ。絵柄も終盤でかなり崩れてきた。当時人気の出始めた脱少女漫画風なタッチを試みているが、下膨れで全身がやたら伸び切っており、デッサンの狂いは目を覆う。好きなようで嫌いなところの多いまんがである。(海苔茶)
*美術大学に合格して、北海道から上京してきた芹香は、家探しをしている途中に、和服の美少女・涼音と偶然出会った。そして、芹香は下宿館を始めるという涼音の洋館に下宿することになった。しかし...なんと涼音は男だった。おまけに、無愛想な高校生の男の同居人がもうひとり。その後、恋多き水城のおねぇさまや、子連れの大学教授と同居人が増えてますますにぎやかになっていくミルクハウスの中で、毎日、どたばたどたばたと楽しい生活が繰り広げられます。とてもテンポのいい共同生活コメディです。主人公である芹香ちゃんや涼音くんも好きなのですが、結衣ちゃんのように男の子をわがままで振り回すんだけど本当は淋しくていじらしい女の子を描かせたら川原さんは絶品なのです。 (TC99/4/18)

■ある日の掲示板(99/4/25)
●川原由美子いいですね〜「ミルクハウス」はリアルタイムに読んでたんで思い出深いです。最初は芹香ちゃん純朴で可愛くて良いな〜とか思ってたけど途中からそれが鼻にひっかかってどうでもいいキャラになってしまいました。お気に入りは藤くんが結衣ちゃんに告白するところですか?読んでて「よく言った!」って拍手してしまった思い出があります。(やの99/4/19)
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ソルジャーボーイ全7巻 情報・感想お寄せください
【出版社】小学館 【発表年】第1巻:1985年発行 【サイズ】新書判【その他】フラワーコミックス
【感想】ニューヨークのハーレムで育った少女・遊は、街角で歌っていたところを、日本から来た芸能プロダクションの社長・矢崎に、「日本へ行ってスターになる気はないか」とスカウトされる。矢崎のスターになるための条件とは、男としてデビューすることだった。少女であることを隠し、少年としてデビューした遊のサクセスストーリー。(TC99/5/23)
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ペーパームーンにおやすみ 情報・感想お寄せください
【出版社】講談社 【発表年】1990年発行 【サイズ】新書判【その他】KCミミ
【感想】新進小説家の加園ハルキは、彼の作品「紙細工の街」が、アイドル女優・森川ともみ主演で、映画化されることになった。ところが、ともみはとんでもないわがままで、ハルキのことを振り回してばかりいる。しかし、ともみの本当の心は深い孤独の中に沈んでいた。川原さんお得意の心淋しきわがまま娘が登場します。こういうタイプの少女を描かせたら、川原さんはうまいです。まんまと術中にはまる私でした。(TC99/5/5)
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■ある日の掲示板入門:川原由美子すぺしゃる■
○川原由美子の世界に踏み入れるのに、「観用少女」から入るのは明らかに間違いです。もちろん、「ソルジャーボーイ」は論外です。「前略ミルクハウス」から入るのは、最もローリスクといえます。ちょっとシリアスに振って、「KNOCK」「ペーパームーンでおやすみ」。コメディに振って、「すくらんぶるゲーム」。かわいく楽しく「気まぐれ四銃士」から入るのもいいかもしれません。少女の時間ということでは、「ばいばいストロベリーデイズ」や同時収録の「オータムプリンセス」などがおすすめです。私は「気まぐれ四銃士」で少女漫画を読み始め、「前略ミルクハウス」を再読したせいで、この世界に舞い戻ってしまったという過去を持っている私の私的なおすすめでした。(TC99/4/19)
●私は「風のおとしもの」から入った口です。少女コミックを買い始めた時で、絵のかわいらしさから入りました。この時期、中原ちずかとか古田久恵など新人さんが出てたんですよ。この時期、中原千束とか古田久恵など新人さんが出てたんですよ。このお話はちょっとものがなしいんですけどね。「きまぐれ四銃士」も好き。ヒロインの名前、アリエッタが好きだったの。あれ、アンリエッタだったかな・・?(もんち99/4/19)
○やっぱ川原由美子さんを楽しむなら、初期の作品からが良いかと思います。(゚゚)(。。)(゚゚)(。。) ウンウン で、もっともって可愛い笑顔に逢いたい時は「観用少女」に手を出すのが良いかと思われます。いや、笑顔だけじゃないぞーーー って思ってくれる方で音楽好きの方は「ソルジャーボーイ」も読んで見て下さい。アレは原作者がいらっしゃるんですよね。だから「なんだかなぁ〜」って思う人が多いみたいです(^^;でも、でも、でも、私は好きです!! < 「ソルジャーボーイ」(雛霰99/4/20)
●川原由美子すきだったです.「はじめちゃん(?)」だっけ、脇役のアイドルが好きだったです.「ミルクハウス」は、犬しか覚えてへん;  「ソルジャーボーイ」は背景が凄かったですよね.(奈々のママ99/4/20)
○わたしもグリーンポエジィシリーズから入った口です。やっぱりストーリーのメリハリとか絵的な物とか考えると「ミルクハウス」が一番好みに合いますね。他には「すくらんぶる〜」もあのドタバタさが良かったし、もんちさんの挙げられてた「風のおとしもの」もラスト、ちょっと切ないけど好きです。ついでに言うと中原千束さんも古田久恵さんも好きでした。「純情二重奏」「愛してミントBOY」とか可愛い恋愛物で面白かったんですが女性誌に移られて以降はどちらも、特に中原さんは好みではなくなってしまいましたね。小学館時代の雰囲気を期待して探し続けてたのに何か裏目に出てしまいました。(やの99/4/20)
「ソルジャーボーイ」は、その作品の出来はともかくとして、川原ワールドに入る最初の作品としてはあまりおすすめできないかもと思っています。だって、「ソルジャーボーイ」読んで、「うぉー、おもしろいぜー」とか思った人が他の作品にすんなり入っていけるかというのがちょっと疑問かなぁなんて思うのです。「観用少女」の「にぱっ」は確かにかわいいのですが、川原さんがお得意な「少女のこころ」とか「少女の時間」を堪能することができないので、世間の盛り上がりをよそに、実は、ちょっと距離を置いていたりします。そうそう「風のおとしもの」もいいですよね。もう一回、読んでみたくなりました。読み返しついでに、ここで、川原由美子全作品感想文大会でもやりませんか。「せぇのっ」で出すと、それぞれ違った風にとらえていて面白いかもしれませんよ。(TC99/4/20)
「風のおとしもの」つい最近、読みなおしたことがありました。雑誌掲載のリアルタイムで読んでいた時は、私もまだ小学生の3・4年頃で、なんで最後こうなっちゃうの〜と悲しくなってしまったのですが、今読み返してみると、川原由美子先生も若かったんだなあ〜と思います。稚拙な感じが、またいいかなと思います(ストーリー展開が)。私の川原由美子のベストはこれです。中原千束「ナオミ」がけっこう好きだったかも。もうストーリーは忘れちゃったんだけど、一番この人の作品の中では、好きだった記憶がある。(もんち99/4/20)
●またまた全然違う意見ですが(笑)。最初に読むなら絶対に「観用少女」です。正直なところ、昔の作品はカワイイ話だった、という記憶しかない(爆)。でも川原由美子さんというと「前略ミルクハウス」が上がることが多くって……いちおーひととおり読んでは来たけど、小学館を離れて講談社のmimiに「ペーパームーンにおやすみ」を描いたあたりから、この人は凄いかもと特に注目するようになったのです。むせ返るようなニオイがするってゆーか。そんな感触が印象的で。
「観用少女」はその延長線上といったカンジかな。ロリータコンプレックス(少女偏愛)とかピグマリオンコンプレックス(人形狂)とか一見すると、そーいう無責任な妄想を描いてるようでいて、その裏のシビアで痛いリアルも描いてしまってる。狙いまくってる。そんな意味で「センチメントの季節」に匹敵する問題作です。これは。ま、小学館のころの川原さんとそれ以降の川原さんはほぼ別人だと思ってもらっても構わないかもしれん。(NAVI99/4/21)
○小学館時代の川原由美子と、「観用少女」の川原由美子は別人であるというNAVIさんの意見はあたってると思います。私が川原由美子を語るとき、かなり感傷的になってしまうのは事実です。だってさ、10代に読んだんだもの。田渕由美子さんと並んで、少女漫画の幼児体験みたいなものです。あと、私は主人公に憑依(シンクロ)して、作品を読むのですが、さすがに、人形には憑依できないので、フラストレーションがたまってしまうのです。我に人間の主人公を!JOURで連載の噂もあるそうなのですが、アフター「観用少女」がどんな作品になるか今から楽しみです。ところで、川原由美子選集が発売されるそうですが、最初が「CLIMB THE MOUNTAIN」とは、どうしてなのでしょうね。「観用少女」でファンになった多くの人に受け入れらやすいのでしょうか。確かに、豊穣なワインのあとに、砂糖菓子がでてきたら、ひいてしまう人も多いかもしれませんね。私は砂糖菓子が好きですが。でも、この選集で、コミックス未収録の作品が読めるとしたら、むちゃくちゃうれしいのですが。私としては、「斜めの音楽」が読みたいのです。(TC99/4/21)
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