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No.383
生嶋美弥
いくしまみや
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人でなしの恋
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【出版社】ビブロス【発表年】99年7月初版【サイズ】B6版【その他】スーパービーボーイコミックス
【感想】
時代は明治後期か大正か,明示されていないのではっきりとは分かりませんが,文学者二人の心のふれあいを描いた作品。温厚で,描く作品世界も清冽で閑かな篠原カヲルと,スキャンダラスな題材で鮮烈な作品を描く,強引な岩田天涯。反発しあいながら,お互いの自分にない部分に惹かれてゆく,この二人の揺れ動く心理描写が巧くて引き込まれて読んでしまいます。ボーイズラブなのですが,そんなことは忘れてしまうほど深みにはめてくれる一冊。まだ描かれていない二人の過去なども邪推させられます。特に作中作である天涯の作品『人でなしの恋』および『いとおしい人』は,作者の文才も感じさせる引用が素晴らしく,この作品自体を盛り上げています。「人でなしの恋」シリーズはまだ続いており,二冊目「いとおしい人」(ビブロス,2000年2月初版)も刊行。(01/04 晴夜)
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