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No.92
内田善美うちだよしみ
*ファンサイト「riddle.club」 http://www.riddle.club.pos.to/ (リンク切れ)
欲しくなったので買いに行く ・・・>Amazon.co.jpアソシエイト
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草迷宮・草空間  情報・感想お寄せください
【出版社】集英社 【発表年】1985/03【サイズ】【その他】
【感想】
(2011.12up)
*大袈裟に言ってしまえば、人間という種を越えた宇宙規模の魂の触れ合いとでもいうのか。『星の時計のLiddell』もそうでしたが『草迷宮・草空間』も異次元・異空間を扱っている点では共通するものがあると思う。でも、『草迷宮・・・』のほうがかわいらしい。日本人形「ねこ」の愛くるしさに夢中になりました。緻密な絵はもはや芸術の域かと。この人が表紙を描いている『ゲイルズバーグの春を愛す』(J.フィニィ、ハヤカワ文庫)はロマンチック・タイムトラベルものの傑作ですが、これを読むと、この人の好きなところが一層良く分かるような気がします。その、ゲイルズバーグを舞台にした作品集『かすみ草にゆれる汽車』も良いです。(サツキ)
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星の時計のLiddell全3巻 情報・感想お寄せください
【出版社】集英社 【発表年】1巻1985/9 【サイズ】A5版【その他】連載はぶ~けにて1982年6月号~1983年8月号/1巻巻末に本人による後書き・作品リスト・倉持功による解説あり。
【感想】
*ここのサイトを偶然お見かけして、感想が書けることに喜びを感じています。星の時計の考察及び論文は私も高校の頃「ぱふ」増刊号で読んだことがあるんですが、その当時の私の頭ではちんぷんかんぷん、という感じで、何せ登場人物のヒューやウラジーミルに感情移入もできなかったし・・。大人になった今でこそ感情移入できるようになったんですが・・。故郷が無い、という感覚。夢にとらわれているという感覚。相反する感覚を持つ二人だからこその醸し出す雰囲気・ウラジーミルのヒューへの憧憬。ヒューのリデルへの愛情。そして全編にわたる死の予感・種の喪失。いろいろなキーワードが緻密な絵とともに紡ぎだされてゆくその様はまさに内田先生の集大成ではないだろうかと思うのです。後世に語り継がれる漫画を超えた名作、ではないでしょうか。(0110 あさぎっちょん)
*いややられました。こんな作品が15年以上前にあったとは。しかし当時読んでたらまずいやんなったろうな。今出会ったこと、まさに今読めたことに感謝。内容は2巻に付いてた帯によれば「人間の深層心理に迫る大型ミステリー」。なんて、人のフンドシで相撲を取ってはいけませんね。しかし自分の言葉で紹介するのはとても難しい。なんといったらいいか、まずはのっけから絵に、ぐいぐいと引き込まれます。丁寧な描写、風景、建物、家具、人物たちの指先やネクタイ、そして影の付け方に至るまで・・・。あ、内容、内容ですね。大型ミステリーというのはどうかと思いますが神秘であることは間違いない。神秘的ではなくまさに神秘。文字で埋め尽くされたページもあり(「はみだしっ子」ほどではないにせよ^^)、さまざまな理屈・解釈・キーワードがあふれていますが、それほど違和感はない。同じ系統といえば吉野朔実かと思いますがいかがでしょう?ただ、私には吉野作品よりこちらの方が入りやすかったです(比較自体適当でないかもしれませんが)。後続の作品が気になります。古本屋巡りの禁が解けたらまっさきに探求だ!(雁1998/11/6)


*ストーリーというより、Good Companyによる、テンポのいい知的な会話が好きです。Woody Allenの映画みたいです。
「星の時計のLiddellの記号学」という記事があるのですが、それによると、ヒューは、象徴としてのイコンの系に生き、夢にいきている。ウラジーミルは、精神をこの世に縛られた肉体の旅人で、イコンに対するファンタスマ(絶対者に結びつけられることのない世界の表面を滑りつづける構造)

        ヒュー:聖なるもの、精神の旅人、超人間的、物神性、現実と夢の同義性、イコン型
                                     V.S
        ウラジーミル:俗なるもの、肉体の旅人、脱人間的、無神論性、現実のみ、ファンタスマ型

そこに、ヴィーが加わり、(ヒュー/ウラジミール)/ヴィーとなる。
ウラジミール:男性、性からの開放、社会性からの開放
ヴィー:女性、性からの呪縛、社会性からの呪縛
リドルは、Liddell-ヒュー、Riddle(謎)と両義的に運動する。
リチャード、ジョン・ピーター、葉月は、道化の定義をみたしています。
この時代の少女まんがは、人物と愛を交通させるため、性を隠蔽してきたけれど、
Liddellでは、そこに、夢が侵犯してきて、愛も隠蔽してしまうため、少女まんがらしさがなくなっているという見方もできます。

(みんこ99/2/7)
※セサミさんの掲示板より転載(出典:1986年2月の増刊号「ぱふ」)
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〓 内田善美作品を語る 〓
* *内田善美さんの作品との出会いは、約20年程も前でしょうか。空の色に似ているの一部だけを、親戚のお姉さんの部屋でそっと読んで感動し、その数年後大人になった私は、やっと単行本を手に入れたのです。それからは、草迷宮・・星の・・等々何年たっても何度読み直してもその度に感動しています。ところが、昨年引っ越した際「空の・・・」を紛失してしまいました。書店、古本屋をさがしてもどこにもありません。正直ショックで立ち直れません。どなたか手に入る所をご存知ありませんか?ぜひ、教えてください。(2003/9/15 はなはな)
*空の色に似ている ではまりまして、以来古本屋へ行くたびに探し続け、ほとんどの作品はもっています。この繊細さ 純粋さは絶対男性とおもいこんでいたのですが・・・消えたマンガ家というほんによると きれいなおねえさん???どなたか本当のことを教えてください。(2002/11 )
*内田善美さんの本は 掲載当時より愛読しておりました。「星の時計の・・・」のほかに 「草迷宮・草空間」という猫を題材にした本もありますし、豪華本にはなっていないけれど、「空の色ににている」という単行本もあるはずです。彼は もう漫画を書くことはやめているのでしょうか??昔からの愛読者??の私には 残念で たまりません。(00/12 ぽけ)
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