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No.59
谷口ジロー
たにぐちじろー
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「坊ちゃん」の時代
全5巻
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【出版社】双葉社 【発表年】 1987/7/9【サイズ】A5判【その他】アクションコミックス/原作者 関川夏央
『シリーズ「坊ちゃん」の時代』として,『秋の舞姫』『かの蒼空に』『明治流星雨』『不機嫌亭漱石』と続き,これらを含め「全5巻」で完結(yoshir99/6/6)
【感想】
関川夏央・谷口ジロー著「『坊ちゃん』の時代〜凛冽たり近代 なお生彩あり明治人」を双葉社のアクション・コミックス(全1巻、1992年、第10刷)で読みました。明治38年11月から明治39年3月まで、夏目漱石が、小説『坊ちゃん』の構想を抱いてから脱稿するまでを描いた漫画です。
谷口ジローは、写実的な絵で、一人一人の人物の性格や、明治時代の建物・家具・着物・市電・万年筆や原稿用紙まで、しっかりと描いています。この漫画の演出が光ります。って、漫画のなかでは歴史の演出になっているけど。明治38年の大晦日、「その日の午後新橋駅中央コンコオスの屋根の下で 多数の歴史的な人物が本人たちはそれと気づかずに一堂に会していた」安重根、東条英機、そして、夏目漱石。時代は日露戦争の頃。漱石は、日本が西洋に追いつこうとして、旧日本的感性・江戸的意志・やすらぎといったものが、無用のものとして追いやられていき、薄情な新時代的意志が世の中の大勢を占めていくのを、歴史上有名無名の人物の姿を借りて、小説の形に表わしていきます。
関川夏央は、多くの史料を駆使しつつ、部分によっては史料の間違いもそのままにしてある、と断わっています。たとえば、冒頭、漱石が縁側で爪を切りながら小説の構想を話しているのを聞いている、4人の若者。堀紫郎、荒畑寒村、森田草平、太田仲三郎。このとき、荒畑は菅野須賀子と、森田は平塚らいちょうと、恋愛中であると語られます。しかし、荒畑寒村が菅野須賀子に出会うのは、翌年、和歌山に移り住んでからであると、自伝に書いています。自伝がまちがっている?ということもありうるのかもしれませんが。
この漫画では、樋口一葉、山県有朋なども、小説のモデルとなった人物として語られます。樋口一葉は、旧日本的感性の女性、平塚らいちょうは、新時代の女性というように、対照的に描かれているのですが、最近の一葉の研究や、瀬戸内寂聴のらいちょう像は、この漫画とは少し違うようです。山県有朋は、司馬遼太郎の小説などでも、権力の集中を謀ったヤツとして出てくるので、この漫画の印象と一致します。山県有朋を魅力的に描いているのは「るろうに剣心」くらいです。(!)漱石が東大の教授として赴任するために解雇された、小泉八雲の話はあまりにも有名です。彼の話は、堀紫郎の回想のかたちで、効果的に語られます。むかし、NHKテレビでジョージ・チャキリス主演でハーンの伝記ものがありましたっけ。そんなこんなを、思い浮かべながら読むのも、おもしろい1冊でした。
明治は忙しい時代だった、そう、関川夏央は、語っています。
「『坊ちゃん』の時代」の魅力、というより、漱石の魅力は、そうした、日本が忙しく、大きく変動していく時代を、冷たく眺めるのではなく、その渦中でとことんまで苦しんだところにあると思います。この漫画でも、漱石の神経衰弱、酒乱、葛藤、・・・等が、なまなましく描かれています。(まちかねてるてる99/8/29)
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ブランカ
全2巻
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【出版社】小学館 【発表年】1996年 【サイズ】B6判【その他】ビッグコミックス
【感想】
(2004/7up)
20年ほど前週刊アクションにて連載された作品です。
今読み返しても、時代を感じさせない圧倒的な画力があり!谷口漫画を語る上では欠かせない作品ですね!
R共和国にて遺伝子工学の権威リャプコワ教授の手により人殺しの道具とは知らずに造られた、軍事用戦闘犬ブランカの物語。
その後、教授はブランカを連れ息子夫婦と孫娘パトリシアの居るアメリカに亡命するが、R共和国軍部のシュミット大佐の命により、拉致誘拐され再びR共和国へ…
このままでは、ブランカはまた戦争の道具として扱われることを危惧した教授は身を挺してブランカを脱走させることに成功する。
ブランカは、永久凍土(ツンドラ)を疾走する。愛するパトリシアの待つアメリカに向かって!
他国にブランカの秘密を知られるくらいなら、殺してしまえと強攻に出るR共和国軍、復讐に燃える腕利きのハンター達。
ラストシーンでは、鳥肌が立つこと間違いなし!
最近は時代物に傾倒している感のある谷口先生ですが、やはり真骨頂はアクション漫画ですよ!
まさに傑作中の傑作です!!(マスティ)
軍事用に訓練された犬の話。「マスターキートン」でキートンの父(動物学者)のセリフ「人間は訓練された犬には絶対にかなわない」を実感させる。(和了1999/5/5)
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神の犬
全2巻
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【出版社】小学館 【発表年】1巻1996/9/1 2巻1997/2/1 【サイズ】B6判【その他】ビッグコミックス
【感想】ブランカの血を引く戦闘犬の話。犬は強い。(和了1999/5/5)
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