フタコト<99/10/10> |
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リリカを数字で見てみます。まずお値段。創刊から11号まで330円。12号から23号まで350円。進路転換は24号で、休刊の29号まで280円とがくんと安くなっています。ちなみに1970年代後半の当時、同じく月刊の少女まんが誌「なかよし」が付録付きで350円、月刊ジャンプ・マガジン・チャンピオンなど少年誌が250円くらいだったと聞いております。 |
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ページ数は12号あたりから少しずつ、しかしはっきりと、増加の一途をたどります。一番厚かったのは24号476ページ。創刊号が177ページだったことを思うとその変化は劇的です。 |
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ページ増と反比例して見る見るうちに減っていたのが、リリカの最大の特徴、いわば「ウリ」であったはずのオールカラー。曲がりなりにもこの方針が貫かれたのは13号まで。14〜16号は一部のみカラー、17号以降は大半が二色刷りとモノトーンになります。 |
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合わせて、カラーのためには欠かせなかったはずの紙質が著しく劣化。17号からは素人目にもはっきりわかるくらい、紙の質が変わってしまいました。そもそもが贅沢だったのだと言ってしまえはそれまでですが、当初の理念がひとつひとつくじけていく様は余りにも如実で、とても残念… |
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理想と現実のギャップ。その狭間をゆれるリリカが、それでもがんばったと思わせるのが、広告の数です。サンリオ以外、という条件付ではありますが、創刊から9号までと、21号は、なんと最終ページに広告があるのみ。それ以外でも5箇所がせいぜいで、6箇所を超えた号は13,16,18号くらい。現在巷にあふれる雑誌と比べると、その数はきわめて少ないと言えます。それが何だ、という意見もありそうですが、なるべく広告を減らしひとつの雑誌でひとつの世界を作ろうとした意気込みには、やはり感銘を受けます。 |
<雁>
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