No.124
清原なつの きよはらなつの *関連リンク先 募集中! |
ただ、清原のSFは、科学というものの持つ反人間性や、人間との接点を探る作品が多いのも特徴です。これは清原のSFのもう一つの特徴で、おそらくは清原の大学時代の初期作品にみられる社会観や知識観にも親和性を有していたと考えます。 大学時代の清原作品には、広く学歴貴族文化的(竹内洋のいう)な教養知への志向が随所にみられます。それは例えば、背景の本のタイトルに『妄想から科学へ』(エンゲルスの反デューリング論文、『空想から科学へ』のパロディー)等の社会科学のテクスト名を書き入れることや、かつて花岡ちゃんが憧れた「読書」好きの叔母の存在から窺えます。こういった学歴貴族文化、または「教養」への志向は、少女マンガでは極めて珍しいことです。
清原のSFは、多くの清原作品に見られる衝動的な愛へのパッションと同時に、科学と人間との関わり合いを模索しているという点が特徴的です。『真珠とり』などはその典型といえるでしょう。(00/10/5@掲示板 鳥屋 宏香)