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No.61
高橋ツトム
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地雷震
全19巻
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【出版社】 講談社【発表年】1巻1993年 【サイズ】B6判【その他】アフタヌーンKC/
□サブマージ・ウェブ http://www.sm.rim.or.jp/~mogumogu/submerge/
■地雷震/高橋ツトム ファンページ 『犯罪進行中、断罪執行中。』 http://www.aa.alles.or.jp/~algernon/comic/jirai/index.html
【カバーは語る】よく人に聞かれる。「地雷震ってタイトルはどうやってつけたんですか?」その時はだいたい「人間のしかけたもの<=地雷>によって、人間の手に負えないこと<=地震>が引きおこされる、それが犯罪だ。という意味が込められている」と答えることにしている。しかし、真実はちがう。本当は知り合いのやっていたHEAVY METALバンド「地雷震」から盗ったのだ。えらくひびきが重そうだったんでね。(5巻(1997年4月発行第6刷)のカバー袖より)
【感想】
□この作品のもつ、独特の感性を言葉にするのは難しい。犯罪うずまく新宿を舞台にした刑事ドラマという設定上、テーマ性は重く、暗い。しかしそのテーマを描き出す画風はシャープで無駄がない。構成やテンポもキレがよく、殺伐とした世界に生きる犯罪者を冷徹な刑事が追う、という構図とあいまって、読む者に素直に「かっこいい」と思わせ、物語に引き込む力がある。しかし読後感は、アメリカの陽気なアクション映画を見終わったあとのそれではない。あるときは読者に自らの心の暗部を覗き込ませ、あるときは「本当にこれでよかったのだろうか」と主人公の解決への疑問を抱かせる。その余韻の深さたるや他のどんなジャンルの刑事ものでも、なかなか持ち得ない種類のものである。読むのに体力と精神力のいるコミックだ。少なくとも読んでいる最中は、作品の「かっこよさ」に夢中になっているので疲れを感じないと思うが、読み終わった後の懊悩たるや、もう…。とにかくいくら言葉を費やしても語り尽くせない素敵な作品だ。とりあえずご一読あれ。(00/7/9 あるじゃあのん)
□暗いし重いし救いはないし、殺伐としているけれど、否定もできないと思いますが。最初の方を今読むとちょっと陳腐だったりするのはひとえに時代性だと思う。時代と人の心が変わってくると犯罪も変わるのだなあ、と思います。そして犯罪者にも理由が有る。そこもちゃんと描かれている。そのせいで主人公ちっとも出て来ず、何を考えているのか判らないこともありますが。そのうえ飯田さんは無情の人のようなので、いろいろなことにためらいがなく、(なさすぎて問題あるような気もしますが。殺すし。)日本の現代警察ではありえない話だけれど、それでもなぜかリアル。
しかし無情の人飯田さんが、いままで一貫して7年間冷徹だったのだけれども、結局無情なのではなく、無情でなければ生きられないというか、そのことを本人も痛々しく思っているような終わり方だったので、その点ではきれいな終わり方だったと思います。人死に過ぎですが。((00/2/20小山田篠<
サブマージ・ウェブ
>))
□暗い。救いがない。いいこと何にもない。家人の趣味ですが、私はイタダケナイ…。(雁)
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