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No.563
トニーたけざき
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岸和田博士の科学的愛情
全12巻
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【出版社】講談社【発表年】1巻発行【サイズ】B6判【その他】アフタヌーン系
【感想】
この作品の醍醐味は、やっぱり主人公である岸和田博士にあります。彼は科学に魂を売ったマッドサイエンティストで、世界的に「天才」という認定を受けています。この作品の世界では、「天才は人類に多大な利益をもたらすので、天才がやったことは全て『天災』で済ます」という事で世界的に保護されているのです。
その為、岸和田博士は己の欲求の赴くままに、日々奇特な研究、発明に勤しみ周囲を巻き込んでいくのですが、そこで博士の口から語られる妙な理屈が何とも面白いのです。今までのSF作品等では得てして「博士」という存在はワキに収まってしまうのが常でしたが、この岸和田博士のキャラクターはこの「博士」というイメージを見事にひっくり返してくれます。
道徳や理念など排し、己が思うままに好き勝手やる事こそ、岸和田博士が「天才」と言われる所以なのでしょう。この博士のハチャメチャぶりが非常にパワフルで魅力的です。シモネタやグロテスクな描写が多く、マジメな人からは敬遠されてしまいそうなマンガなのですが、そのハチャメチャぶりは一度読んだら病みつきになる中毒性を持っています。(2002/9
霊刻堂
)
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