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がいっぱい!!
!各巻収録内容
!!各話タイトル
!!!各話詳細
!!!!人物紹介
*
● 収録内容!
1(1996)
2(1996)
3(1997)
4(1997)
5(1997)
・少女鮫(1)平成8年
4〜5、9〜11号
・「少女鮫」通信vol.1
・少女鮫(2)平成8年12・13・15〜18、18〜20号
・「少女鮫」通信 vol.2
・少女鮫(3)平成8年21〜24、平成9年1〜2号
・「少女鮫」通信vol.3
・少女鮫(4)平成9年5〜11号
・「少女鮫」通信 vol.4
・少女鮫(5)平成9年11〜15、18〜19号
・「少女鮫」通信vol.5
6(1998)
7(1998)
8(1998)
9(1999)
NEW!!10(1999)
・少女鮫(6)1997年20〜23、1998年1〜2号
・「少女鮫」通信 vol.6
・少女鮫(7)平成10年3,5〜10
・「少女鮫」通信 vol.7
・少女鮫(8)平成10年12〜17号
・「少女鮫」通信 vol.8・少女鮫 予告編
・少女鮫(9)平成10年22〜24、平成11年1〜3号 
・「少女鮫」通信vol.9
・少女鮫(10) 平成11年花とゆめ5〜7、11〜13号 
・「少女鮫」通信最終回 描き下ろし
*
● タイトル!!
第一部 
少女鮫(平成8年花とゆめ4〜5号掲載)

第二部 
戦場編(平成8年花とゆめ9〜19号掲載)
 ACT1 初めての戦場
 ACT2 泥部隊
 ACT3 捕虜救出作戦
 ACT4 脱出!ポイントA
 ACT5 再会
ACT6 クレオパトラ作戦
 ACT7 罠の中の涼子
 ACT8 テロリスト「銀狐」
第三部 海洋編 (平成8年花とゆめ20〜24号、平成9年1〜2号掲載)
 ACT1 バカンスはマイアミで
 ACT2 鮫の巣
 ACT3 シチリアの鮫狩人
 ACT4 幽霊クルーザー
 ACT5 巨大鮫 急撃!
 ACT6 巨大鮫VS涼子(1)
 ACT7 巨大鮫VS涼子(2)
第四部 検診編 (平成9年 花とゆめ5〜11号掲載)
 ACT1 検診始まる
 ACT2 見えない影
 ACT3 血の予感
 ACT4 ベレッタ1934
 ACT5 エンジェル カミング
 ACT6 狩猟者との対決
 ACT7 エピローグ
第五部 久須見ウイルス編  
(平成9年花とゆめ11〜15、18号掲載) 
 ACT1 序章−涼子の謎 
 ACT2 久須見病院<涼子>はみだし新兵隊 
 ACT3 白い部屋の実験体<涼子>ピクニック 
 ACT4 激動!<涼子>ハイキング 
 ACT5 宿命<涼子>前線基地突破! 
 ACT6 任務終了!!
第六部 ふたたび戦場編  
(平成9年花とゆめ19〜23、平成10年1〜3、5〜6号掲載) 
 ACT1 新しい任務 
 ACT2 熱砂のふたり 
 ACT3 地下遺跡からの脱出 
 ACT4 極北の追跡 
 ACT5 血の北極点 
 ACT6 麻薬王 カノン=ドポール 
 ACT7 絶体絶命の涼子! 
 ACT8 急速解凍 
 ACT9 人食い虎 
 ACT10 決着−父の決心
第七部 地中海編 (平成10年 花とゆめ7〜10号掲載) 
 ACT1 涼子 要塞島へ 
 ACT2 父の結婚 
 ACT3 母ラウラ 
 ACT4 レジスタンス村
第八部 孤島の戦い編 (平成10年花とゆめ12〜17号掲載) 
 ACT1 あれから・・・4年 
 ACT2 ミハイル=フェルガーの野望 
 ACT3 孤島の戦い 
 ACT4 乱戦 
 ACT5 最後の反撃 
 ACT6 決着・・・そして涼子は
第九部 日本編(平成10年 花とゆめ22〜24、平成11年1〜3号掲載) 
 ACT1 秘密会議 
 ACT2 涼子 元気です! 
 ACT3 傭兵チーム ふたたび 
 ACT4 ビル=マクガイヤー救出作戦(上) 
 ACT5 ビル=マクガイヤー救出作戦(下) 
 ACT6 ときめきの文化祭
NEW!!
第十部 さらば少女鮫(平成11年 花とゆめ5〜7、11〜13号) 
ACT1 ヴァケーション  
ACT2 クスミ=ウィルス実験体 
ACT3 もうひとりのクスミ=ウィルス実験体 
ACT4 カウントダウン 
ACT5 最後の戦い−さらば涼子 
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● ストーリー!!!
第一 少女鮫 

やや天然ぼけ気味の陽気な帰国子女紫堂涼子。穏やかな日常に沈むよどみを彼女の目がとらえた時、その過去に秘められた力が爆発するという話です。 

バラエティ傾向の強い「怪盗アマリリス」に継ぐ久しぶりの本格派だけあって、心踊る作品です。普通の学校風景に陰影をもたせかつ不自然さの無いその筆力は、作者の健在ぶりを物語ます。そして主人公涼子も底抜けの明るさと超人的能力を持つ戦士という相反した新しい魅力のある少女です。彼女の謎については、第2部から第8部にかけて徐々に明かされることになります。 

戦場編 

ACT1−ACT2
幼少の身で祖国日本を追われる立場になった涼子が、主治医の叔父にあたり傭兵である紫堂貴広に引き取られ、始めてみる世界に戸惑いながらも次第に順応していく話です。今まで外と隔絶した空間で育った少女が周囲の影響を受け成長する姿がとても心暖まります。なにより周囲の姿勢が涼子の人格ありのままを受け入れ彼女の成長を見守るプラス方向の性質であることも、今までの和田作品にない特徴であり今後が注目されます。 
ACT3−ACT4
ゲリラに拘束された捕虜救出依頼を受けた貴広のチームがその依頼自体に不信を抱きながら作戦を実行する話です。 

傭兵への依頼にはたいてい裏があることから、傭兵には常に依頼の実態を把握する能力が問われるようです。そんな彼らのしたたかさが楽しめる作品です。 
ただ、墜落機体の破損状態よりその原因がある程度推定可能なのではないかという気がしなくもないのですが・・。 

ACT5−ACT8
拉致監禁された社長令嬢救出を依頼された貴広のチームが、かっての宿敵相手に死闘を繰り広げる話です。 

「女王」と「幸運の女神」が同席する作戦ですから(笑)、成功して当然かというと、実際そうはいかないようです。なにしろ相手が訓練学校時代以来の貴広の宿敵だけあり両者の駆け引きの行方は大変興味深いものがあります。それに加えてこの根底に流れる主題「家族の在り方」には色々と考えさせられます。 

三部 海洋編 

貴広チームが引き上げを依頼された沈没船のある海域は、鮫の大群とそれらを統べる巨大鮫の生息地でした。進入者を許さぬ鮫の猛威に人間達が翻弄される話です。 

ここの見せ場は、巨大鮫と涼子の対決です。巨大な敵を相手に、涼子は始めて本格的に「変化」し、ナイフ一本で立ち向かうことになります。ここでは変化した涼子の行動・心理両面から描かれています。この描写を見ると、変化した涼子は、感情を排し相手の出方を予測した上で冷静に対処する純粋な戦闘の化身であると思います。この戦闘方法は麻宮サキの方法−感情と闘争本能とを一体化させ相手にそれをぶつける方法−とは異なります。 

ところで、巨大鮫と涼子はなぜお互いを強く意識したのでしょう。かれらは両者ともに一般の基準から外れた存在であるがゆえに、互いの脅威を誰よりも認識しそれに刺激されたからでしょうか。このあたりの説明がもう少し欲しかったと思います。 

第四 検診編 
 涼子に訪れる変化を憂慮した貴広が、厳重な監視体制を敷いた病院で涼子に徹底した検査を受けさせる話です。 

 涼子の秘密にせまるかにみえた第4部は、途中から涼子にせまる危険へと話を絞って行きます。この危険への伏線を張りすぎたためかページ数の不足か、終盤の話の展開が強引かつ不明瞭で落ち着きのよくない印象を持ちました。 
  
 紫堂涼子は、常に戦場に身を置き緊張した日常を送っていますが様々な人の善意によりその心の中にゆるぎない基盤を作り上げ成長していきます。ところで彼女は今までの和田長編作品の主人公とは異なり、作品における社会的役割がまだ定められていません。彼女に今後いかなる役割があたえられどのような運命が待ち受けているのでしょう。 

五部 久須見ウィルス編

 涼子が貴広宛ての依頼を代りに受けて、落ちこぼれの新兵をあの手
この手で一人前の兵隊へ育て上げる話の一方で涼子の秘密がいよいよ明かされる編です。

 ここで涼子がとった訓練法「ピクニック」は、その目的こそ理解できるものの、その方法が極めて致死性の高いものです。致死性が高い点では涼子のピクニックと「スケバン刑事」での樹真の修行は共通します。しかし、前者が目的と方法に関係がまだ認めうるのに対して後者が目的と方法に関係が認められない点、前者が新兵の生き方を肯定するものだったのに対して後者がサキの生き方を結果的に方向転換させた点で両者は決定的に異なります。身の置き場がなかった彼らがしだいに適性に目覚め自らの居場所を見出す過程には、胸が熱くなります。

 さて、明らかにされた涼子の秘密は途方もないスケールのものでし
た。これが作品にどう活かされるかと連載掲載当時想像を膨らませて
いたのを今でも覚えています。

 ふたたび戦場編 
 ACT1〜ACT3
  
 貴広のチームが、好戦国ハッシドの軍事データを陸水空路の三手に 
分かれて国外へ持ち出す話です。 

 空路、水路もそれぞれ苦労していますが、最も過酷なのは涼子とシ 
ルバー担当する陸路−砂漠越えでしょう。延々と続く砂漠の砂が巻き 
起こす不可思議に対して彼らはあまりに小さく写ります。彼らを翻弄 
する砂漠もかっては緑豊かな地であったと言われていますが、その歴 
史の一端を思わせる話です。 

 ACT4〜ACT5
 一人北極点を目指す老博士の孤独を涼子達が見届ける話です。 

 ただ一つの目的を遂げるために、かって亡命した母国へと帰還の道を辿る老博士に去来するものは、過去の夢でした。最後に彼のもとに一抹の救いが訪れるのは、せめてもの安らぎです。 

 ところで驚異的な任務達成率を誇る貴広ですが、その名声に似合わず感情に流された行動をとる時があります。一見美談に写るこれらの行動は、依頼人の不利益ひいてはチームの信用低下につながりかねない危険の高い行為であるように思います。 

ACT6〜ACT10
 T国の麻薬を一手に引き受けるカノン=ドポール逮捕へ作戦実行中の涼子が、逆にカノンの狡猾な罠にはまり試練を迎える話です。 

 麻薬組織の恐ろしさをまざまざと見せつける作品です。小心者そうな外見のカノンですが、その一筋縄ではいかない悪辣さは麻薬組織頭目の貫禄十分です。そのカノンに追いつめられる涼子が幼いながらも試練に敢然と立ち向かう原動力は、彼女自身の資質もさる事ながら、父貴広とチームの仲間達の愛情によるものも大きいように思います。 

 この話は麻薬の利権にからんだ人間模様がリアルに表現された作品で数ある作品の中でもひときわ興味深く読みました。 

第七 地中海編 

 戦場から身をひいた涼子と貴広が、イタリアにある旧要塞島に居を構える話です。 

 登場人物が傭兵であるため活動的な話が続く中、この第七部は静の話です。出色な挿話は「男性側から見た妊娠」について貴広とラウラが討論する場面です。妊娠と言う主題は女性の視点で語られるものは数多くありますが、もう一方の当事者である男性の視点で語られたものは少なく、面白く思いました。妊娠を告げられた際の男性の内心を表現した貴広の台詞「結婚していようとしていまいと 一ヵ月以上前に上に向かって投げた石が 忘れた頃に落ちてきて男の頭に当たる」は、世の男性の偽らざる本音なのでしょう。 

 孤島の戦い編 

 地中海編から4年、平和に暮らしていた貴広一家に、復讐に燃えるミハイル=フェルガーの魔の手が迫る話です。 

 今までの積み重ねに好感を持っていただけに手の裏を返すような話の展開に少々困惑しました。戦線を離れた四年間が涼子の変化に何をもたらしたのか、貴広の言うコントロールの意義がよく分かりませんでしたし、話の最後での貴広の涼子に対する態度もどうも納得が出来ませんでした。 

 個々で不思議に思ったのは、貴広と涼子が彼女のもつ秘密について話し合った形跡が見られないところです。16才ならば自らの運命を知らされてもその重さに耐え得る年齢ですし、涼子にしてもその情報を正確に知ることが必要だと思います。一方貴広も、自分の目と診療データだけで全てを判断するのは早すぎると思います。何より涼子に全てを知らせて上で彼女が問題と正面から向き合う過程がなければ貴広の願いである変化のコントロールの実現は難しいと思います。 

 日本編 

 涼子の秘密を巡り多くの人間が暗躍するなか日本で暮らしていた涼子が、かっての同僚ビル救出のため仲間に集合をかける話です。 

 ここへきて、主人公涼子の個性が削ぎ落とされ一般に言う「よい子」の枠に押し込められ、彼女の魅力が半減したような気がします。彼女の言動は、彼女のいる現状にそぐわない、周辺状況を無視し自らの 
理想をただ先走らせただけの非現実的なもので、説得力が乏しいです。 

 そして4年も戦線から離れていた人間がいきなり実践に通用するはずがありません。この不都合を涼子の特殊能力だけですごすのは不自然です。話の展開も都合がよすぎかつ建前一本槍で正直よい印象を持てなかった作品です。 
 
花とゆめ13号の感想

 少女鮫は、波はあるものの当初の姿勢を貫けば前長編作品の数々を超える名作になるだろうと私は考えていました。そのため、これまでに培った世界観を根底から破壊し水泡に帰するような花とゆめ13号の最後は残念でした。少女鮫は花とゆめコミックスでは次の10巻で完結という形だそうです。しかし私は、少女鮫が本来あるべき形で改めて世に出る機会が訪れる日がいつか訪れることを希望しています。

 和田先生がどこへ活躍の場を移られるかは未だ不明です。けれども和田先生が名作を創り続けられる限り、ファンはどこへでも和田先生について行きます。何はともあれ、和田先生の今後のご活躍を心からお祈りします。

 

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● 人物紹介!!!!!

貴広

●クレオパトラブレスト
new!!●姉の仇をうちたい!と武器を盗み出そうと忍び込んだ米軍基地で、主人公カサルが出会った謎の男として登場。カサルの叫びを信じ、1年でカサルを“戦える男”に鍛え上げた。回想の中の、ほんの5ページの出演。名前こそ出てこないが(しかもチラリズムで最後のコマ以外、明確に描かれていない)、その身体的特徴と、最後の登場コマに小さく“(C)和田”と書かれていることから間違いなく、紫堂貴広と思われる。
<余談……雑誌では3回連載の2回目に登場したわけですが、初回の載った号で、読者プレゼントの中に、なぜか『紫堂貴広むかし』と書かれた和田先生の色紙もあって、白泉社ならともかく学研で? と疑問だったんですが、伏線だったんですね♪>(sahara99/12/19)
香 
坂 耀子
●「超少女明日香 雨の封印」(*) 
ここで登場するホラー雑誌の編集長美咲がよう子の原形ではないかと想像されます。頼りになる所と涙もろい側面、そしてなにより顔形がよう子と共通しています。 
●「怪盗アマリリス」 
ここで「香坂耀子」の名で初登場します。彼女は怪盗アマリリスこと椎崎奈々の親友で、彼女の芸能活動に協力して映画監督をしたりしています。
比 

野  悦子
●「怪盗アマリリス」 
同じく怪盗アマリリスこと椎崎奈々の親友で、ややおっとりした少女です。
(参考) 石動 克也:彼は他の和田作品に登場してはいないのですが、代わりに親戚かと思われる人物が複数過去の和田作品の中に存在するので挙 げてみたいと思います。
山崎(旧姓:石動) 美沙恵:
●パパと恵子シリーズ 
言うまでもなく8年前に他界したパパの妻です。純和風美人の彼女ですが、当時苦学生だったパパとの結婚を両親に反対され駆け落ちし勘当される過去を持つ、激しさを胸の奥に秘めた人です。 
石動 薫子:
●パパと恵子シリーズ 
美沙恵の姪にあたる人物です。過去のトラウマにより重度の男性恐怖症です。
石動氏:
●怪盗アマリリス:桐葉高校の理事長です。
石動 和夫:
●怪盗アマリリス:石動氏の独り息子で、恋人に殺害されます。
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