巻 |
各話タイトル |
舞台はここ! |
感想、うんちく、どーーーんと受け付け中!! 〒
投稿はこちらから |
1 |
迷宮の男 |
ギリシャ |
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1 |
天使のような悪魔 |
イタリア |
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1 |
小さなブルーレディー |
日本 |
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1 |
ダビデの小石 |
イギリス |
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1 |
黒と白の熱砂 |
中国・ウイグル自治区 |
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1 |
砂漠のカーリマン |
同上 |
前編から続き |
1 |
背中の裏街 |
日本 |
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1 |
はるかなるサマープディング |
日本 |
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2 |
貴婦人との旅 |
西ドイツ〜スイス |
O・ヘンリの小説を思わせるような、老人との暖かい気持ちのつながりを描いてると思う。「あなたのような人を本当の貴族というのよ」老女の人生を物語っている、重みのある言葉に感じられて切なかった。(PAKU99/3/22) |
2 |
狩人の季節 |
イギリス |
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2 |
獲物の季節 |
イギリス |
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2 |
収穫の季節 |
イギリス |
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2 |
FIRE&ICE |
アイルランド |
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2 |
薔薇色の人生 |
スイス |
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2 |
RED MOON |
西ドイツ・オーストリア |
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2 |
SOLVER MOON |
オーストリア・メキシコ・イギリス |
前編から続き |
3 |
屋根の下の巴里 |
フランス |
「ヨーロッパ文明の誕生に影響を与えた古代文明は、エジプトの他にもあったと思うんですが・・つまり、そのオ・・・」考古学研究の道を確実に歩み始めた若きキートン。彼にとってなくてはならない師ユーリースコット教授との絆がさらっと描かれています。 |
3 |
小さな巨人 |
西ドイツ |
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3 |
ラザーニェ奇たん |
イタリア |
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3 |
アレクセイエフからの伝言 |
スペイン |
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3 |
すべての人に花束を |
日本 |
青いアマリリスを育てる傷心の園芸家佐伯純男こそ…原作・勝鹿北星氏がモデルだそうです。(ビッグコミックオリジナル1994年6月20日号浦沢直樹氏インタビュー記事による)。 |
3 |
黒い森 |
西ドイツ |
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3 |
昼下がりの大冒険 |
イギリス |
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3 |
赤の女 |
西ドイツ |
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4 |
喜びの壁 |
スコットランド |
「MASTERキートン」を私にとって☆一生もの☆ならしめた作品の一つがこれ。さらっと描かれていますが、何ともいえない感動がありました。「俺達は一人で生き、一人で死んでゆくが、この一瞬、この場にいる生き物だけは、自分の宇宙を抜け出して・・・」こりゃもう、一種悟りの境地ですね。 |
4 |
交渉人のルール |
イギリス |
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4 |
身の代金のルール |
イギリス |
前編の続き |
4 |
空飛ぶヒーロー |
イギリス |
偉大なる粉屋オズボーンと塔に幽閉されたお姫様の昔話に隠されていた事実とは。このお話に限らず、ヨーロッパ各地のいろいろな神話・伝承・昔話が披露されているのもMASTERキートンの魅力の一つです。 |
4 |
14階段 |
フランス |
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4 |
穏やかな死 |
イギリス・アイルランド |
100%に近い成功率を持つIRAの爆弾作り名人が、キートンに、自ら仕掛けた爆弾の解体を頼む話。これもまた、淡々としてて、それでいてうううじぃぃ〜〜んと来るんだよなぁ。短くて地味な一編でも、ゆったりと濃密な時間を感じる、そんな作品が多いのもまたキートンの魅力!! |
4 |
長くて暑い日 |
スペイン |
「人間は絶対、訓練した犬にはかなわない!!」けれどそんな犬に襲われた時は!! |
4 |
家族の瞬間 |
日本 |
これもまた、一瞬を捉えた、短いながらゆったりとした小品…て、キートンはそんなばっかじゃないって。 |
5 |
白い女神 |
イギリス |
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5 |
チャーリー |
イギリス |
チャーリーって…ジャン・レノが太ったみたいじゃないですか? |
5 |
無関心な死体 |
イギリス |
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5 |
ノエルの休戦 |
西ドイツ |
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5 |
ハーメルンから来た男 |
西ドイツ |
第二次世界大戦当時、ヨーロッパから忽然と姿を消した3万人のジプシーの謎。ナチスによるもう一つの虐殺。 |
5 |
ハノーファーに来た男 |
西ドイツ |
5 |
オルミュッツから来た男 |
西ドイツ |
5 |
キートン先生の事情 |
イギリス |
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6 |
秘めたる宝 |
日本 |
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6 |
青い鳥消えた |
西ドイツ |
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6 |
白い雪とノアの箱舟 |
イタリア |
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6 |
偽りの三色旗 |
イギリス・アイルランド |
泥沼の民族間抗争とテロ。増幅する憎しみと復讐の繰り返し。続けるも止めるも人間、なんですね。 |
6 |
偽りのユニオンジャック |
イギリス |
6 |
セーフハウス |
イギリス |
呪いや迷信を信じ怖れた昔の人たち。でもだから祈りがあり、奇跡があった。魔除けの町セーフハウスにて。 |
6 |
化け猫荘の人々 |
イギリス |
息子キートンの下宿先を訪れた太平さん大活躍 |
6 |
アザミの紋章 |
イギリス |
天狗って、ほんとうにそうかもしれない。 |
7 |
エルザ・ランチェスターの思い出 |
イギリス |
夏の夜に読もう。恐いです。 |
7 |
エルザ・ランチェスターの復活 |
イギリス |
7 |
瑠璃色の時間 |
イギリス |
少年キートンのエピソード。MASTERの意味はこれ? じぃぃぃん、弱いなあこういう話。 |
7 |
匂いの鍵 |
西ドイツ |
「壁」が崩れた後のドイツに残された元東ドイツスパイ。その数は実に6千。彼らの中のひとつの悲劇。 |
7 |
デビット・ボビットの森 |
イギリス領ジブラルタル |
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7 |
デビット・ボビットの帰還 |
イギリス領ジブラルタル |
7 |
黄金の鐘の夢 |
フランス |
グラドロンの伝説の鐘は海の中に?でっかい夢に賭けたくなります。 |
7 |
出口なし |
イギリス |
キートン絶妙のはったりに一本! |
8 |
豹の檻 |
イギリス・イラク |
キートン大活躍の救出もの。緊迫の5回シリーズ。
ノーフォーク公はピーター・オトゥールがモデルだそうです(ビッグコミックオリジナル1994年6月20日号浦沢直樹氏インタビュー記事による)。 |
8 |
カルーンの鷲 |
イラク |
8 |
アナトリアの蟻 |
イラク |
8 |
死の都市の蠍 |
イラク |
8 |
井戸の中の鼠 |
イラク |
8 |
賭けの王道 |
イギリス |
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8 |
禁断の実 |
イギリス |
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8 |
西から来たサンタ |
旧東ドイツ |
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9 |
血と名誉の掟 |
イギリス |
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9 |
愛と悲しみの掟 |
イギリス |
9 |
コーンウォールの風 |
イギリス |
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9 |
王の涙 |
イギリス |
ブラン王の伝説が効いてます。 |
9 |
放課後探偵団の冒険 |
イギリス |
「大切なのは、どんな時も決してあきらめないこと」。これもテーマかも。 |
9 |
瞳の中のハイランド |
イギリス |
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9 |
5月の恋 |
イギリス |
百合子イギリスに登場。 |
9 |
シャトーラジョンシュ1944 |
フランス |
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10 |
仮面の奥 |
カナリー島からマディラ島へ飛行機の中 |
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10 |
緑のフーガ |
チェコスロバキア |
「あなた面白い人だ。一瞬のうちに銃を奪ったあなたとそうやって草花で遊んでいるあなた…」そう、キートンはそんな人なのだ。 |
10 |
イシスの呪い |
イギリス |
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10 |
ブルーフライデー |
イギリス |
キートンの相棒ダニエル初のメイン出演。顛末はタイトルの示すとおり。 |
10 |
勝利の陰に |
イギリス |
戦争という人殺しが人の心に残す傷を描いたものの一つ。 |
10 |
ウイスキーキャットの村 |
スコットランド |
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10 |
祈りのタペストリー |
日本 |
リベラ老人の漂わすスペインと京都祇園祭りのコンビネーションが妙。
このお話に登場するタペストリーが「苦労した思い出」に挙げられています。(ビッグコミックオリジナル1994年6月20日号浦沢直樹氏インタビュー記事による) |
10 |
幸運は雨とともに |
イタリア |
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11 |
帰郷 |
旧東ドイツ |
「その指輪はやるんじゃない、貸したんだ。しっかり働いてちゃんと返せ。利子をつけてな」「それが資本主義ってもんだろう」痛烈です。 |
11 |
天使の両翼 |
イギリス |
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11 |
フェイカーの誤算 |
イギリス |
ベニントン教授もさることながら、当たり屋さん、いい味だしてます。 |
11 |
鉄の砦 |
イタリア |
イタリアモリゼ州カステルデボヤーン、中世の要塞都市! このお話で知って以来あこがれの地。 |
11 |
特別なメニュー |
イギリス |
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11 |
聖夜の邂逅 |
イギリス |
少年キートンのエピソード |
11 |
雪山の審判 |
イギリス |
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11 |
家族 |
旧東ドイツ |
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12 |
カタルーニヤに乾杯 |
スペイン |
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12 |
狂った太陽 |
フランス |
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12 |
オプの生まれた日 |
イギリス |
キートンとダニエル、運命の出会い!? |
12 |
永遠の楡の木 |
イギリス |
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12 |
赤い風 |
イギリス |
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12 |
赤き哀しみ |
イギリス |
12 |
空へ… |
日本 |
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12 |
靴とバイオリン |
イギリス |
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13 |
渡り鳥の黄昏 |
イタリア |
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13 |
死者からの贈り物 |
イギリス |
本編の主人公ベイツ氏はすごい。 |
13 |
神の棲む森 |
イギリス |
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13 |
伝説の微笑 |
ギリシア |
レノス島神殿のレリーフに残る戦士ピレモスと王女ハルスキュラの伝説がスパイス。 |
13 |
臆病者の島 |
スコットランド |
元傭兵フォスターはアーネスト・ボーグナインがモデル(ビッグコミックオリジナル1994年6月20日号浦沢直樹氏インタビュー記事による)。 |
13 |
トム・バウワーと少年 |
イギリス |
トム・バウワーの伝説にちなんで。 |
13 |
ライオンの騎士 |
イギリス |
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13 |
銀月の騎士 |
イギリス |
14 |
バラの館 |
イギリス |
チャーリー久々の登場。 |
14 |
心の壁 |
ドイツ |
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14 |
面接の日 |
日本 |
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14 |
塔の男 |
日本 |
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14 |
いいパブの条件 |
イギリス |
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14 |
ハッピーニューイヤー |
イギリス |
つくづく人をほっとけないキートンの話 |
14 |
光りなき世界の住人 |
旧東ドイツ |
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14 |
光をくれた女 |
旧東ドイツ |
15 |
不死身の男 |
ポーランド |
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15 |
家庭教師キートン |
イギリス |
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15 |
御婦人たちの事件 |
イギリス |
Mrs.ジェリー初登場。 |
15 |
真実の町 |
日本 |
第二次大戦中日本にあった捕虜収容所の話。 |
15 |
寄り道 |
イギリス |
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15 |
探偵志願 |
イギリス |
キートンのおいオリバー登場。 |
15 |
神の愛でし村 |
イギリス |
時間のとまったような村で起こった殺人事件の顛末。キーはやはりこの村に伝わる伝説、聖アングリアスの伝説 |
15 |
聖者のいる村 |
イギリス |
前編より続く |
16 |
ルナデールの夕日 |
イギリス |
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16 |
二人の父親 |
フランス |
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16 |
名探偵再登場!? |
イギリス |
それはMrs.ジェリーです。 |
16 |
メイド・イン・ジャパン |
イギリス・スコットランド |
3回シリーズ
「世界か…私は世界中仕事で飛び回ったが、何も覚えていない。記憶にあるのは、デスクの上の書類だけですよ」これもまた、悲劇。 |
16 |
メイド・イン・ジャパンU |
スコットランド |
16 |
メイド・イン・ジャパンV |
スコットランド |
16 |
冥府からの愛 |
イギリス |
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16 |
失われた天才監督 |
イギリス |
天才監督はフランシス・コップラがモデル(ビッグコミックオリジナル1994年6月20日号浦沢直樹氏インタビュー記事による)。 |
17 |
壁の忘れ物 |
旧東ドイツ |
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17 |
最後の挑戦 |
イギリス |
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17 |
ベンタヌ山の誓い |
イギリス |
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17 |
山の裁き |
イギリス |
前作より続き |
17 |
学者になる日 |
日本 |
学会ってこんなですかあ?一概に言えないのはもちろんだけど、つい嘆き節。対照的なスコット教授の銘は「人間はどんな所でも学ぶことができる。知りたいという心さえあれば…」エンディングへの助走が、静かに始まっている。 |
17 |
夢を継ぐ者 |
オーストリア |
キートンは、いよいよ夢に向かって走りはじめる。 |
17 |
本日多忙なり |
イギリス |
それにはお金、ドナウ発掘のためには資金が必要です。キートン猛烈に働くの巻。 |
17 |
合格祈願 |
日本 |
こちら百合子、日本にて受験勉強に励む日々。戦うのもいいけれど、「昔の女性はそんなこわい顔してなかったと思うよ」。だって、とその先は本編を。 |
18 |
ルーマニアへ! |
イギリス・ルーマニア |
ついに最終章へ。絡まった伏線が解きほぐされ血塗られた陰謀が明らかになる。そしてキートンは、彼の夢は?エンディングまで丸ごと一冊、ノンストップ!! |
18 |
チャウシェスクの子供達 |
ルーマニア |
18 |
ブカレスト脱出 |
ルーマニア |
18 |
TA89 |
ルーマニア |
18 |
チャウシェスクの隠し財産 |
ルーマニア |
18 |
虐殺の村 |
ルーマニア |
18 |
絶体絶命 |
ルーマニア |
18 |
夢を掘る人 |
ルーマニア |
「キートンはハードボイルドに対するアンチヒーローなんです」
・・・
「海外の取材では危ない目にもあいましたよ」・・・「正体を隠すことでなかなか愉快な経験もしました」・・・ |
そんな見出しが立っている本記事。御本人の写真も移っていますが印刷は不鮮明、組んだ両手で顔半分を覆っているのでどんな方なのか良くわかりません(3巻「すべての人に花束を」でモデルとして登場)。 |
「ある集まりのとき、別の出版社の人が「実はキートンの原作者は6〜7人の専門家集団で、それを編集者がまとめているんですよ」って僕に言うんです。黙ってたけど…愉快でしたね(笑)」 |
なんておっしゃっているところを見ると、謎の人物でいることを、ご本人も楽しんでいらっしゃった様子が伺えます。キートンの基本設定については |
「普通のヒーローではないってことです。気が弱くて、優柔不断。そして強いけど人は殺さない」「そこに軍事、海外情報、歴史といった情報を織り込んでいきたかった。あと伝説も」 |
その豊富な情報源については、 |
「本を読んだり、調べたりするのが好きなだけ」「実際に海外での取材もしました」 |
そして連載中の世界情勢の激変について、 |
「いま民族とか宗教とか、政治的な境界とかいろんな理由で人間が分けられて対立しているけれど、少し歴史を調べてみれば、どんな文明も交流があったということです。人間の営みっていうのは実に混沌として混じりあっていた」 |
ということを述べられています。そして最後に、 |
「彼の才能がなければ、この作品のリアリティーは成り立たなかった」 |
と浦沢氏に感謝を述べていらっしゃいます。 |
「ラデック・鯨井」として、「SEED」の話題を中心に対談されています。タイトルは「漫画を土壌に”心の大切さ”の種撤き」。 |
「(前略)"自分たちが平気で使っている日常のあらゆる製品を、誰がどこで作ってくれているのか"、更に"自分たちが食べたり消費したりした物の後始末は、誰がどこでしてくれているのか"、ということをテーマに書いています」 |
「単行本の売上げ部数はなかなか伸びませんねえ(笑)。(中略)でも、有り難いことに、集英社は、売れなくてもいいから、変な恋愛物に崩さないでくれ、って言ってくれるんです」 |
「(前略)とにかく、書きたいテーマを思い通りに伸び伸びと書かせてもらっていますから、幸せだな、って思いますよ」 |
などなど心境を述べられ、充実した原作者生活が伺えます。対談はさらに漫画の原作を書くようになったきっかけに及び、 |
「学校を出てから(中略)広告会社に勤めたのですが、刈谷という東大の物理科を出た同僚が、こう言うんですよね。"漫画のシナリオライターが不足しているから、それになるんだったら、明日からでも食べていけるぞ"と。会社のシステムが面白くなくて、辞めたいと思っていた時だったので、心を動かされました。実際に彼は、私より先に会社を辞めて、雁屋哲のペンネームで『美味しんぼ』(ビックコミック・スピリッツに連載中)の原作者になりました。私も5年9ヶ月勤めて、30歳の時に退職しました。(後略)」 |
もっともその後すぐに軌道に乗ったわけではなく、ゴーストライターをして体調を崩したりしたとのこと。その時に運動不足解消のため始めた手裏剣から、「SEED」につながる農業への興味を抱き始めたことなどが明かされています。ちなみに「ラデック・鯨井」のペンネームについて、 |
「昔、スターリンに暗殺されたトロツキーの友人に、カール・ラデックという経済学者がいました。その人のことが割合に好きだったので…「ラデック」を逆さから読ませ、一文字入れて、「ラデック・くじらい」。上から読んでも下から読んでも同じになる…名前からして漫画ですよ(笑)」 |
なんていうエピソードも。 |
さらに、霊的な事や夢、閃き、偶然、共時性といったことのほか、生まれは東京で学生時代を北海道小樽市で過ごしたことなど個人的なプロフィール、一枚だけの制限付きで御本人のカラー写真がばっちり載っていたりと、なかなか貴重な一冊です。 |
会誌「HIGENKI」1999年2月号より
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