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No.628
咲 香里 さき
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春よ、来い 全10巻 (2003/3up)  情報・感想お寄せください


【出版社】講談社【発表年】初出1999年9月9日【本のサイズ】新書判【その他】
【あらすじ】東京で一人暮らしの大学生タカシのもとに妹のまふゆが突然やって来た。そのまふゆを追って同級生でレズ相手の沙恵がやって来て3人で同居する事に・・・。隣の部屋では夜な々妹と沙恵の艶めかしい声が・・・童貞のタカシには刺激が強すぎです。男と女の雑居生活ストーリー。
【感想】
春よ来い読みました。とあることからこの本を見つけ、そしてこの本にのめりこんでいます。僕は、14歳の和歌山工業高等学校の一年生です。今まで数多くの女性と付き合って来ました。しかし、付き合うたびものの数ヶ月でふられました。今年の四月頃になって僕はある女性と付き合いました。彼女はとても優しく、そしてとてもきれいで自分はとても幸せでした。しかし、僕は高専の寮に入る事になりました。そのため彼女に会えなくなるのは分かっていました。僕が高専に入学する前に彼女と話して別れる事にしました。彼女は嫌がりましたが僕が押し切りました。この時僕は彼女に幸せになって欲しいからと思い、悔やみながらも押し切りました、ですが今では後悔しています。しかし、すんだことはすんだことこれから新しい恋をさがします。僕以上の不幸のような人生をこの本をよんで創造しました。そして、力強く生きて行きたいと思いました。この本を読んで僕はそう強く心に誓った。そして、こんな本を書ける咲香里さんに尊敬しました。僕はこれからもこの本と咲香里さんのファンでいつづけたい。だから、咲香里さんもどうかこれからもがんばってください。(2003/8/3 ケルベロス)
私が頻繁に利用する、Amazon.co.jpのトップ・おすすめ商品に紹介されていた作品で、当初気にはしなかったのだが、漫画蒐集マイブームの昨今、現行9巻中・興味本位で3巻まで買ってみた。あらすじにもあるように、基本的にはバリバリの男性向成年漫画の色合いが強い内容とはなっているが、ただ単純に性的描写を含めているにとどまらず、やはり主人公である曽根高史の生々しい恋愛観にあり、また同性愛者である妹・まふゆのコンフリクトとサファーが枢軸として描かれていて、読んでいて世界に引き込まれてゆく魅力が溢れている作品であると評価。残る六巻も後日一挙買いした。確かに、一般少年誌におけるラブ・コメディとは一線を画し、この作品を読んだ後にラブコメに目を通すと、実に理想に満ちた、文字通りピュアな精神的恋愛を思わせ、対象年齢層の隔壁をまざまざと見せつけられる。少年誌での恋愛成就のプロセスをわずか一,二話程度でさらりと流され、それどころか度重なるセックスシーンが正直読者を惹きつけ、またそれら恋愛関係におけるコンフュージョンの強弱相まみえた描写は、青年誌系なら常套正道なのかも知れないが、主に少年誌ラブコメ系統を主流にしている私の視点からすれば実に斬新であり、同時に年代的にさほど違和感が無く、逆に女性経験に事欠かない主人公に対する賛否の諍論に尽きず、私見としては男性視点と女性視点からして、当作品の評価は両極に分かれるのではないだろうかと考えるがいかがであろうか。それは特に同性愛者である沙恵が主人公との恋愛関係へ傾倒するというある程度の矛盾が読者が抱く疑問点に見事までに一致し、主人公に寄せる不信感と、このヒロインへのある種の同情が結果的にクオリティの高いストーリーとなり、長期にわたって廃れない為の中核があると見る。現行の第七巻以降は物語開始本来のヒロインである沙恵の出番は殆ど見かけられなくなる訳なのだが、それでも基軸に主人公と、妹まふゆがある限り存在感が薄れないのはヒロインたるに相応しい所以では無かろうか。また述べ遅れたが、もう一人の主人公とも言える、その妹・まふゆの存在も疎かには出来ない。同性愛者という言葉で枠組みされるのは好かないのだが、偏見や色目で作品を見ることを除けば、実に隠された魅力が多いキャラクタであり、男性視点から見ても、共感できる科白や言動に事欠かない。因みに、青年漫画に置いては当たり前のことを述べていると言うのならばご勘弁願いたい。とかく、青年誌愛読者は是非一度読まれてみることをお薦めする。(2003/3 鷹嶺 昊)
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Sweet Pain Little Lovers 全1巻 (2004/8up)  情報・感想お寄せください


【出版社】初版 富士美出版,新装版 蒼竜社【発表年】初版 1996年,新装版 2002年12月20日【本のサイズ】新書判【その他】成年指定。初版本は絶版されている
【あらすじ】平凡な大学生の岡島健太は、突然、美人の河井美奈から告白され、誰もがうらやむカップルとなった。そこへ健太の妹、けいが17年間の闘病生活を終え退院してくる。その新しい暮らしの中、「内気で健気な妹」の存在が、健太にとって次第に大きくなっていく…。甘く危険な禁断の恋を真正面から描いた、衝撃と感動のラブストーリー。
【感想】
1996年に青年誌で発表されていた作品のリニューアル版であるとする、咲氏初期の著作。あらすじにあるように実の兄妹の恋愛、いわゆる「近親相姦」ものなのであるが、ストーリーは極めてシリアス系にあり、淫靡・アブノーマルな様相は全くないのが特徴。ヒロイン・けいと主人公の恋人・河井美奈の対比が読者を惹きつけて止まず、中盤以降におけるけいとの展開は恋愛作品の王道路線に準拠しながらもさすがに生々しい恋愛関係を描くにおいて咲氏の技量が色濃く表現されていると言える。ただひとつの難点を挙げるとするならば、ラスト
の締めが漠然とされていることであろうか。やはり中・終盤の見せ所と盛り上がりが印象強かったために、ラストも明瞭に括ってもらいたかったところだろう。(2004/8鷹嶺 昊)
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