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No.462
かざま鋭二
かざまえいじ
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風の大地
1-31 (0209up)
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【出版社】小学館【発表年】1巻発行1991/03/01【サイズ】【その他】原作 坂田 信弘
【感想】
このマンガは、ゴルフマンガという事で敬遠され易い作品だと思います。確かに野球やサッカーといった団体スポーツとは異なりルールを知らないと分かり難い部分があるのですが、それだけで読むのを止めてしまうには惜し過ぎるマンガなのです。
この作品の一番の魅力は、やはり主人公・沖田圭介という人間にあります。優しく、純朴で、真っ直ぐで…それでいて静かな男。それが沖田圭介です。いい人系の主人公というものは、得てして偽善に見えてしまいかねない傾向があるのですが、この沖田圭介にはそういった嫌味が感じられません。それはやはり彼が静かな男である為でしょう。彼の勝負に対する気持ち、人に対する気持ち…静かなる頑固者、これが沖田圭介の人間的魅力となって、物語を引っ張るのです。
基本的にゴルフマンガというものはトーナメントでの勝負ばかりを追う傾向にあるのですが、この「風の大地」という作品は試合以外のドラマ部分にもかなり比重を置いています。名エピソードとして挙げられる「宇賀神の空」や「岐路」はゴルフマンガという枠を超越して、非常にドラマチックです。私はこのマンガを読み返す度に胸の奥底から熱いものがこみ上がってしまうのですが、この両エピソードではいつも涙を堪えきる事が出来なくなってしまいます。
蛇足になりますが、このマンガのラストはいつも抒情詩的な語りで結ばれるのですが、その語り口調がこの作品の静けさを強調し、読む者に暖かい余韻を残してくれます。ゴルフマンガだから、と敬遠しないで是非一度読んで見て欲しい作品です。(2002/9
霊刻堂
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