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No.597
井上正治 いのうえ
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マラソンマン 全19巻 (0212up)   情報・感想お寄せください
【出版社】講談社【発表年】【サイズ】【その他】週刊少年マガジン連載
【感想】 
俺3日前から[マラソンマン]を買い始めたんですけど。明日から自分もマラソンしようと思います。 そんな風に、人を動かしてしまう漫画を書くなんて先生はスゴイ人だと思います。これからもマラソンマンみたいな素晴らしい漫画を書いて僕達に魅して下さい。(2003/8/3 西村)
少年マガジン連載のスポーツマンガは、ジャンプ連載の作品…たとえば「キャプテン翼」や「スラムダンク」のような派手さは無いものの、思わず引きつけられてしまう物語を展開するいぶし銀のマンガが多いような気がします。この「マラソンマン」もそんな作品の一つでしょう。
物語は2部構成で、前半は父親の高木勝馬、後半は一馬が感動のドラマを見せてくれます。どちらも甲乙つけがたいのですが、やはり私個人としては前半…それも最初の福岡国際マラソンでの「父ちゃん(小学生の一馬は父親の勝馬をこう呼びます)」の激走がベストエピソードです。
かつてはトップランナーとして知られていた勝馬…しかし勝馬は離婚以来負け犬生活を続け、息子に親父らしい姿を見せた事が無かった…。そんな2人に突然離別の危機が迫ります。父親としての姿を息子に見せるため、過去の栄光を取り戻す為に勝馬は再び走り出します。そしてレース、後半、急な天候の変化に長年のブランクのある足が耐えられずに走る事が出来なくなってしまう勝馬…しかし彼は以前の高木勝馬ではなかった!!ゼッケンを留める安全ピンを自らの足に突き刺し、その刺激で足の筋肉を強引に動かし、ゆっくり…ゆっくりとゴールに向かう…そんな彼の姿に、勝馬の過去を知る新聞記者・島村が「違う…アイツは、もう負け犬なんかじゃない!!」とタバコを噛み締める…涙無くてしは読めないとは、このシーンの為にある言葉なんじゃないかとまで思えます。
あまりに唐突過ぎる勝馬の死や、少々脱線気味のエピソードもありますが、これほど親子の絆、そして諦めない事の大切さを強烈に訴えるマンガはそうはないでしょう。このマンガはカッコ良い主人公が華麗に活躍するようなビジュアルに訴えるマンガじゃありません。でも、何度読み返しても胸の奥に熱いものがこみ上がって来る…そんな素晴らしい作品です。
蛇足ですが、このマンガの2部に一馬の先輩として登場する阿川は、この作品の後に井上先生がマガジンで連載していた「ポリスマン」にもゲスト出演しています。(2002/12 霊刻堂)

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